ゴルフ会員権は預託金という形で販売されていることもあって、この場合、文字通り預り金なのですから返還を求めることができます。契約上、一定の期間が経過した後には無利息で払い戻しを受けられるように書かれているはずです。実際に預託金の返還を受けた人も当然存在しますが、一方で、平均的な姿を見ればゴルフ会員権の預託金返還を求めるのは難しいことが多くあるのもまた事実でしょう。ゴルフ会員権の販売で集めたお金は、いずれは返さなければならないのだからという理由で、そのまま会社の金庫室とか銀行口座に保管されているのでしょうか。

普通に考えてそんなはずはないと想像できます。ゴルフ場の建設資金や運営資金に使われてしまっていると考えるのが常識的で、実際にもそうです。別にこのこと自体が契約違反とか法律違反というようなことではありませんし、そのように利用されたとしても経営自体が順調で利益も出ているのであればさして問題はないかもしれません。利益が出ていれば返還を求められても対応できますし、そもそも経営が順調ということは多くの人に人気のあるコースだということになりますから、そういうゴルフ場の会員権をあえて手放したいと思う人が列をなすことはあまり考えにくいです。

しかしこの逆のパターンもあるでしょう。順調に黒字を出すことができず赤字基調に陥ってしまっているとすればどうでしょう。いくら契約書に書いてあっても、実態としてお金がなければ返すこともできません。